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不当解雇で裁判を起こすためにかかる費用

不当解雇

会社と従業員によるトラブルの1つに「解雇の正当性」をめぐる問題があります。従業員側としては「不当解雇だ」ということを主張していくことになるのですが、その間働くことができないということもあって、費用が心配になる方もいるでしょう。

まずは費用の相場を知り、どの程度の負担がかかるのかを当記事で押さえておきましょう。費用を少しでも抑える方法、そして裁判後に得られるものについても知っておくと良いです。

 

不当解雇の問題を解決するための費用

不当解雇について争うときの費用は、一律ではありません。状況によって異なり、不当解雇に伴い賃金の請求を行うかどうか、依頼する弁護士によっても変わってきます。

 

弁護士費用

弁護士費用は、会社とのやり取りや裁判上の手続を代行してもらう場合に発生します。ご本人が1人で対応することも禁止されていませんが、特に裁判となれば高度な知見と経験が求められますので弁護士がついていないと望む結果が得られないリスクが高まってしまいます。

料金設定は依頼歳となる弁護士法人や法律事務所によって異なり、平均的な金額を上回るケースもあれば下回るケースもあります。費用の内訳は大きく次の3種から説明できます。

 

相談料

・弁護士への相談を行うときに発生する費用
・「1時間1万円」「30分5,000円」が相場
・「1時間無料」などと定めているケースも多い

着手金

・弁護士が受任したときに発生する費用
・その後の結果問わず支払いが必要
・「30万円~」「請求額の10%~」が相場

成功報酬

・希望する結果が得られたとき、請求相手から金銭の支払いを受けることができたときに発生する費用
・「請求額の10%~」が相場

 

その他にも、弁護士に書面の作成を依頼するときには「書類作成費用」が、会社や裁判所に出向いてもらうときには「日当」や「交通費」が発生します。弁護士費用をめぐって揉めることのないよう、あらかじめ、どんなときにどれだけの費用が発生するのかを確認しておきましょう。

 

裁判費用

裁判を提起する場合は裁判所に費用を納めないといけません。

このときの費用はそれほど大きなものとはなりません。印紙代、予納郵券代など、トータルでも数万円程度で足ります。

具体的な金額を知りたい場合は弁護士に相談して聞いておくと良いでしょう。

 

費用を抑える工夫

不当解雇で裁判を起こすときの費用を少しでも抑えるためには、比較的大きな割合を占める弁護士費用をどう抑えるかを考えると良いです。裁判費用はそれほど高額ではありませんし、交渉によってどうにかできるものでもありません。

一方の弁護士費用は各々で自由に定めた金額であり、金額や支払い時期、支払い方法なども弁護士が認めてくれさえすれば調整することが可能です。あらかじめ証拠を自分で集めておけば弁護士の仕事量も少なくなりますので、それを理由に減額を求めてみても良いかもしれません。

下げてもらうのが難しい場合でも、「無料相談」を実施しているならそれを活用することが費用を抑えるために有効です。複数の弁護士に見積もりを出してもらって比較検討するのも一つの手でしょう。

「会社からの支払いがないと弁護士費用を出すのが難しい」という場合は、着手金が低額で成功報酬の割合が大きい弁護士を選ぶことも考えてみましょう。

 

不当解雇の裁判に勝つことで得られるものも多い

不当解雇について争う場合、裁判費用・弁護士費用など、支出面にばかり気を取られて対応が遅れてしまってはいけません。手続が上手く進めば得られるものも多いです。

 

職場への復帰

不当解雇であると裁判で認められると、会社のした解雇は無効となり、職場に復帰することができます。これによって職を失わずに済み、その後の生活も安定させることができます。

 

係争期間中の賃金

不当解雇だと認めてもらえれば、係争期間中に発生したはずの賃金を請求することもできます。この金銭を「バックペイ」と呼びます。

紛争が長期化するとその分従業員側に大きな経済的負担がかかってしまいますが、それを取り返すようにバックペイの額も上がります。もし支給されるはずの賃金が月々30万円であったとすれば、半年間係争するだけで請求額は180万円にも上ります。

 

慰謝料の支払い

解雇を言い渡すまでの背景次第では慰謝料を請求できる可能性もあります。慰謝料とは精神的身体的苦痛を理由とする損害賠償のことですので、暴力を振るわれたり脅迫じみた暴言を吐かれたり、悪質な行為を伴って解雇を言い渡されたときは別途慰謝料の請求も行うと良いでしょう。バックペイとは別で金銭の支払いを受けられることもあります。